宇治の巨大ウイルス。メドゥーサの姉と判明。

吉田亘騎さん、張瑠瑞軒さん、キンバリー・ガルシアさんらが発見し、解析し、執筆した論文がMicrobiology Resource Announcementsに掲載されました。

https://mra.asm.org/content/10/1/e01323-20

宇治市、戦川(たたかいがわ、小さな川です)で発見されたこのウイルスは、ゲノム解析の結果、メドゥーサウイルス科に属することが分かり、温泉で発見された初代のメドゥーサウイルス(medusavirus medusa)の姉としてメドゥーサウイルス・ステンノ―(medusavirus stheno)と名付けられました。ヒストン遺伝子をコードしており、特徴的なプロモータ配列も発見されました。メドゥーサウイルスの仲間は、まだ2株しか発見されていません。しかも日本でしか発見されていません。日本固有のウイルスなのか、今後、世界でもみつかるのか、興味深いところです。海洋メタゲノム解析からは、類縁の配列が見つかっているので、世界的に分布している重要なウイルス系統なのかもしれません。ちなみに宇治では昨年、マルセイユウイルス科に属する巨大ウイルス、キョウトウイルスが複数発見されています。